料理は体育、お菓子作りと石けん作りは化学

料理は体育

料理というのは体育に近い活動だと考えます。

味付け一つとっても、調味料の質や量、配合の仕方でものすごく沢山のパターンが存在します。極端な例ですが、「卵焼きを作るなら絶対にこのレシピでこの順番で作らなければならない」みたいな決まりはありません。

経験がものを言う世界です。

洗練された手際の良さや複数の料理を並行して作ることができるなど、経験に裏打ちされた手法は知識だけでは太刀打ちできません。それはまるで、基礎練習から試合まで鍛錬を続けるアスリートが、自分の方法論を見出すかのよう。

料理人であれば気が遠くなるような基礎練習が欠かせません。家庭料理であれば家族の好みや栄養バランスを考えて、経験から生まれた愛のあるレシピたちが“家庭の味”として確立されていくのだと思われます。

料理のレシピには、考案者のTipsがよく書き込まれています。「このタイミングで牛乳を小さじ1入れるとふんわりする」「ししとうが冷蔵庫になければピーマンでも良い」みたいな役に立つアドバイスです。その料理を何度も作ったから分かる、経験から得た暗黙知です。

お菓子作りは化学

一方で、お菓子作りは化学の世界です。

卵の白身を加熱すると膨張する、生地にバターを入れるとしっとりする、生クリームは温度が低い方が泡だてやすいなど、お菓子というものは食材の化学反応を利用して作ります。

もちろん経験とともに覚えていく部分も多々ありますが、原理を知っていると随分と作業がしやすくなります。正確に言えば、知識があれば失敗を防ぐことができます。

メレンゲを作る際の攪拌具合だとか、材料の分量、温度管理などである程度定量的にコントロールできるからです。お菓子作りのレシピには、分量や作り方の黄金バランスが書いてあります。レシピ本の通りに作ると、基本的には誰でも毎回美味しく作れます。

お菓子作りは、原理や作業の順番など基礎的な作り方に関してはある程度のセオリーがあり、形式知として確立されています。

石けん作りはお菓子作りに似ている

石けん作りはお菓子作りに共通する部分が多いです。

材料や石けん生地の状態は定量的にコントロールできます。したがってセオリー通りに作れば、高確率で石けんという物質になります。個人的には石けん作りはお菓子作りよりも工程がシンプルなので、お菓子作りよりも失敗しづらいような気がします。

ただ、出来上がる石けんの「質」は作る人の腕(実力)に大きく左右されます。使い心地の良い石けん、デザインの美しい石けん、キメの整った石けんなど質の高い石けんは制作者が知識と技術を習得した成果です。

誰でも作ることがけれど、高品質になるかは作り手次第。この点でもお菓子作りと共通していますね。

ちなみに、私は体育が死ぬほど苦手で化学が得意です。料理は一定間隔で失敗しますが、お菓子作りと石けん作りではほとんど失敗しません。何だか関係がありそうだな、とこの記事を書きました。

長くなってしまいましたが、要するに石けん作りは難しくないというお話でした。